米粉でアレルギー症状が出る理由と確認ポイント
近年、食物アレルギーの中でも特に増えてきているのが「小麦アレルギー」です。一般的に、小さな子供が発症するものだとイメージしがちな小麦アレルギーですが、実は大人になって発症するケースも少なくありません。小麦アレルギーを発症してしまうと、パスタやパンなどの小麦製品が食べられないばかりか、小麦を含む醤油やお酒、化粧品まで避けなければいけなくなり、日常生活に支障をきたしてしまうのです。
最近では大豆や米粉の加工技術が高まり、小麦粉を使用せずともおいしい食品がたくさんありますが、それでも小麦を摂取したことでアレルギー症状を発症してしまうという事故が後を絶ちません。これは消費者庁などの機関も注意喚起をしていますが、原材料表示に小麦粉の表示がなくても、小麦が含まれていたり混入していることがあるからなのです。
そこで今回は、小麦アレルギーの基本的な知識と、小麦アレルギーの方が米粉製品を食べる際に確認するべきポイントについてご紹介します。小麦アレルギーの方はもちろん、ご家族や周りの方にも参考にしていただければと思います。
小麦アレルギーとは

小麦アレルギーとは、小麦に含まれるタンパク質をアレルゲンとして、さまざまなアレルギー症状があらわれる食物アレルギーの一種です。小麦を口から摂取するだけでなく、小麦が含まれる製品を触ったりするだけでも症状が出る場合があります。
小麦アレルギーの症状
小麦アレルギーの症状は、他の食物アレルギーと同様に個人差が大きいのが特徴です。代表的な症状としては以下のようなものがあります。
- 腹痛・下痢・嘔吐などの消化器症状
- じんましん・皮膚のかゆみなどの皮膚症状
- くしゃみ・鼻水などのアレルギー性鼻炎症状
- 喘息発作などの呼吸器症状
- アナフィラキシーショック(重篤な全身症状)
症状の程度は軽症から重症まで幅広く、重篤な場合は生命の危険を伴うこともあるため、適切な診断と管理が必要不可欠です。
小麦アレルギーの原因物質

小麦アレルギーの原因となるタンパク質(アレルゲン)は、主に以下の4種類が知られています。
- グルテン(グリアジン)
- アルブミン
- グロブリン
- グルテニン
このうち最も患者数が多いのがグルテンで、パン・麺類などの小麦製品の他、ハム・ソーセージなどの加工肉にも使われているため注意が必要です。一方、アルブミン・グロブリン・グルテニンは、主に製パン・製菓の際の品質改良剤として添加されることが多いとされています。
小麦アレルギーの診断と治療
小麦アレルギーが疑われる場合は、まず問診や食事日記から小麦との関連性を確認し、血液検査や皮膚テストなどのアレルギー検査を行って診断します。治療としては、基本的に小麦の除去食が中心となりますが、万が一症状が出た場合に備えて、抗ヒスタミン薬の処方や、重症者へのアドレナリン自己注射薬(エピペン®)の処方なども検討されます。
小麦アレルギーは、「小麦の完全除去」が原則となりますが、加工食品に使用されている小麦の有無はわかりにくいのが実情です。さらに、症状を発症するまでの摂取量には個人差があるため、日々の食事に細心の注意を払う必要があるのです。
米粉製品でアレルギー症状が出る理由

近年、健康志向の高まりから、小麦粉の代替として注目されているのが米粉です。グルテンフリーで、小麦アレルギーの方にも安心して食べられるイメージがありますが、実は米粉製品でもアレルギー症状が出てしまうケースが報告されています。
なぜ、米粉なのにアレルギー反応が起こるのでしょうか。その理由として、以下の3つのポイントが考えられます。
米粉パンに小麦粉が使われている場合
米粉パンと銘打っていても、実は小麦粉が使われていることがあります。米粉だけでは膨らみが悪く、パンとしての食感が出しにくいため、一定量の小麦粉を混ぜて使用しているケースが少なくないのです。
米粉パンを購入する際は、必ず原材料表示をチェックしましょう。「小麦粉」「グルテン」などの文字があれば、小麦アレルギーの方は避けるようにしてください。
製造過程で小麦が混入している可能性

原材料に小麦が使われていなくても、製造過程で小麦が混入している可能性があります。これを「コンタミネーション」と言います。
コンタミネーションとは
コンタミネーションとは、本来製品に含まれるべきではない物質が、製造過程で意図せずに混入してしまうことを指します。アレルギー物質の場合、ごく微量でも症状を引き起こすことがあるため、大きな問題となります。
コンタミネーションの発生原因
コンタミネーションが発生する主な原因は、以下の2つです。
- 原材料の受け入れ・保管時の管理不足
- 製造ラインの共有による混入
米粉製品を製造している工場で、小麦を使った商品も作られている場合、ラインを共有していると、ごく微量の小麦が混入するリスクがあるのです。
商品パッケージに「本製造工場では小麦を含む製品を生産しています」などの注意書きがある場合は、コンタミネーションの可能性を示唆しているため、小麦アレルギーの方は注意が必要です。
原材料表示が不十分な場合
スーパーなどで売られている商品には原材料表示が義務付けられていますが、個人店などの対面販売では表示が不十分なことがあります。米粉パンを購入する際は、事前に原材料について確認しておくことが大切です。
また、表示されているアレルゲン品目が27品目に限られているため、それ以外のアレルギー物質については、自己申告制となっています。自分が発症した原因アレルゲンが表示対象に含まれていない場合は、店頭で確認を取る必要があります。
小麦アレルギーの方が、米粉製品を安心して食べるためには、原材料表示を見るだけでなく、製造工程におけるコンタミネーションの可能性についても、きちんと確認することが大切なのです。
米粉製品選びのチェックポイント

小麦アレルギーの方が、安心して米粉製品を選ぶためには、いくつかのポイントに気をつける必要があります。ここでは、米粉製品選びの際に確認しておきたい3つのチェックポイントをご紹介します。
原材料表示を確認する
米粉製品を選ぶ際に、まず確認したいのが原材料表示です。アレルギー物質を含む食品には、特定原材料7品目(卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに)の表示が義務付けられています。
小麦粉の有無をチェック
米粉パンやお菓子には、「米粉」だけでなく「小麦粉」が使われていることがあります。米粉だけでは膨らみが悪く、食感が出しにくいためです。商品パッケージの原材料表示に「小麦粉」「小麦」「グルテン」などの文字がないかをしっかりとチェックしましょう。
グルテンフリー表示の意味を理解する
「グルテンフリー」と表示された商品は、小麦アレルギーの方も安心して食べられそうですが、実はそうとは限りません。日本では「グルテン」の定義が曖昧で、表示基準が明確ではないため、注意が必要なのです。海外の基準に合わせて表示しているメーカーもあれば、独自の基準で表示しているメーカーもあります。
グルテンフリー表示だけを頼りにせず、あくまでも原材料表示でアレルゲン物質の有無を確かめるようにしましょう。
製造工程の管理状況を確認する

原材料表示に問題がなくても、製造過程で小麦が混入している可能性があります。これを「コンタミネーション」と言います。米粉製品を製造している工場で、小麦を使った商品も作っている場合、ラインを共有していると、ごく微量の小麦が混ざってしまうリスクがあるのです。
商品パッケージに「本製造工場では小麦を含む製品を生産しています」などの注意書きがある場合は、コンタミネーションの可能性があると考えられます。製造工程の管理状況について、メーカーに問い合わせてみるのも一つの方法です。
信頼できるメーカーや店舗を選ぶ
小麦アレルギーへの理解があり、原材料の管理や製造ラインの徹底した清掃など、コンタミネーション防止に積極的に取り組んでいるメーカーや店舗を選ぶことが大切です。
アレルギー対応食品を専門に扱うメーカーや、アレルギー表示に積極的な店舗などは、比較的安心できるでしょう。口コミサイトなどで評判を確認してみるのもおすすめです。
また、個人店などの対面販売では、原材料表示が不十分なことがあります。米粉パンを購入する際は、事前に店員さんに原材料や製造工程について確認しておくことが大切です。
小麦アレルギーの方が、米粉製品を選ぶ際は、原材料表示だけでなく、製造工程の管理状況や、店舗の対応力なども含めて、総合的に判断することが求められます。安全性の高い商品を選んで、安心して食生活を楽しんでいただきたいですね。
小麦アレルギーでも食べられる米粉製品

小麦アレルギーの方にとって、パンやお菓子などの小麦粉を使った食品は食べられません。しかし、近年は米粉を使った製品も増えてきており、小麦アレルギーの方でも安心して食べられる選択肢が広がっています。ここでは、小麦アレルギーの方におすすめの米粉製品をご紹介します。
米粉100%の製品
原材料が米粉100%の製品なら、小麦が混入しているリスクはほとんどありません。パンやケーキ、クッキーなど、さまざまな種類の米粉100%製品が販売されています。
米粉100%の製品を選ぶ際は、原材料表示をしっかりとチェックしましょう。米粉以外の原材料が使われていないか、よく確認してください。また、製造ラインが小麦製品と共有されていないかどうかも、問い合わせてみると安心です。
グルテンフリー認証を受けた製品

グルテンフリー認証を受けた製品も、小麦アレルギーの方に適しています。グルテンフリー認証制度は、グルテンが一定量以下であることを第三者機関が認証するもので、国内では「NPO法人 日本グルテンフリー協会」が認証を行っています。
グルテンフリー認証マークが付いた製品なら、小麦だけでなく、ライ麦や大麦などのグルテンも含まれていないので、より安心して食べられます。ただし、グルテンフリー表示の基準は国によって異なるため、海外製品の場合は注意が必要です。
自家製の米粉料理とお菓子
市販の米粉製品を買うのは少し不安という方は、自宅で米粉料理やお菓子を作ってみるのもおすすめです。米粉は小麦粉の代わりに使えるので、いつもの料理やお菓子のレシピを、米粉を使ったアレンジにしてみましょう。
自分で作れば、原材料も製造工程も完全に管理できるので、安心感が違います。米粉のおいしさを知るきっかけにもなるでしょう。
米粉パンのレシピ
米粉パンを作るには、米粉、ベーキングパウダー、塩、水を混ぜ合わせ、オーブンで焼くだけ。米粉の種類によって水の量を調整してください。トッピングを変えれば、さまざまな味のパンが楽しめます。チーズやハーブ、ドライフルーツなどを加えるのもおすすめです。
米粉クッキーのレシピ
米粉クッキーは、バターと砂糖をよく混ぜ、米粉、ベーキングパウダー、塩を加えて生地を作ります。型抜きしたり、丸めて平たく押し付けたりして、オーブンで焼き上げれば完成。アイシングやチョコレートでデコレーションすれば、かわいいクッキーに仕上がります。
小麦アレルギーがあっても、米粉製品を上手に活用すれば、食の選択肢は広がります。市販品を選ぶ際は原材料表示をしっかりチェックし、自家製に挑戦するのもおすすめです。米粉のおいしさを味わいながら、安心して食生活を楽しんでくださいね。
外食時の注意点

小麦アレルギーの方にとって、外食は少し勇気のいる場面かもしれません。レストランやカフェでは、使用している原材料や調理方法が明確にわからないことが多く、知らず知らずのうちに小麦を摂取してしまうリスクがあるからです。でも、事前の準備と心構えをしっかりとしておけば、外食も安心して楽しめます。ここでは、小麦アレルギーの方が外食する際の注意点をご紹介します。
店舗スタッフへの確認事項
まずは、店舗スタッフにアレルギーについてしっかりと伝えましょう。「小麦アレルギーなので、小麦粉を使った料理は避けたい」と伝えれば、スタッフ側も調理の際に配慮してくれる可能性が高くなります。また、メニューに「グルテンフリー」と書かれていても、念のため原材料を確認しておくことが大切です。
特に、以下のような料理については、注意が必要です。
- パン粉や小麦粉をまぶした料理(とんかつ、から揚げなど)
- 小麦粉を使ったソース(ホワイトソース、ルーなど)
- 麺類(パスタ、ラーメン、うどんなど)
- 小麦粉を使ったデザート(ケーキ、クッキーなど)
これらの料理について、小麦粉の使用有無を確認し、代替メニューがあるかどうかを聞いてみましょう。お店側も、アレルギーに対する理解を深めていくきっかけになるはずです。
コンタミネーションリスクの高い料理

たとえ原材料に小麦粉が使われていなくても、調理の過程で小麦粉が混入してしまう可能性があります。これを「コンタミネーション」と言います。特に、以下のような料理は、コンタミネーションのリスクが高いので注意が必要です。
- フライヤーを共有している揚げ物料理
- パスタを茹でるお湯を共有している料理
- 小麦粉を使った料理と同じ調理器具を使っている料理
これらの料理については、スタッフにコンタミネーションの可能性について確認し、できれば別の調理器具で調理してもらうようにお願いしましょう。
持参した米粉製品の活用
お店に小麦アレルギー対応メニューがない場合は、自宅で作った米粉パンやクッキーを持参するのもひとつの方法です。事前にお店に相談して、「持ち込みしたパンを使ってサンドイッチを作ってもらう」「米粉クッキーをデザートに出してもらう」などのリクエストをしてみましょう。
また、最近は小麦アレルギーに対応したレストランやカフェも増えてきています。事前にネットで検索したり、SNSで情報を集めたりして、安心して食事ができるお店を見つけておくのもおすすめです。
外食は、食事だけでなくコミュニケーションの場でもあります。小麦アレルギーがあっても、工夫と心構え次第で、外食を十分に楽しむことができます。事前の準備を怠らず、スタッフとのコミュニケーションを大切にして、安全においしい食事を楽しんでくださいね。
アレルギー症状が出た場合の対処法

万が一、小麦を含む食品を食べてしまい、アレルギー症状が出てしまった場合の対処法をご紹介します。症状の重さによって、適切な対応を取ることが大切です。落ち着いて状況を判断し、必要に応じて周囲の人や医療機関に助けを求めましょう。
軽度の症状への対応
軽度の症状とは、皮膚の軽い痒みやわずかな腹痛などを指します。この場合は、抗ヒスタミン薬を服用し、安静にしていれば、症状は自然に収まることが多いです。
ただし、症状が悪化したり、呼吸困難や意識障害などの重篤な症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。軽度の症状でも、油断は禁物です。
重度の症状への対応
重度の症状とは、全身の激しい痒み、呼吸困難、血圧低下などを指します。これらの症状は、アナフィラキシーショックに進行する可能性があり、生命に関わる危険な状態です。
重度の症状が出た場合は、躊躇せずにエピペン®を使用し、救急車を呼びましょう。その際、「アナフィラキシーショックが疑われる」と伝えることが重要です。
エピペン®を使用した後も、必ず医療機関を受診し、医師の診察を受ける必要があります。アナフィラキシーショックは、一度症状が収まっても、数時間後に再び症状が現れることがあるからです。
医療機関への相談
アレルギー症状が出た場合は、かかりつけの医師や専門の医療機関に相談することをおすすめします。自分の症状や、原因と思われる食品についての情報を詳しく伝え、今後の対策について相談しましょう。
医師からは、症状に応じた薬の処方や、エピペン®の使用方法について指導を受けられます。また、食事療法や除去食についてのアドバイスも得られるでしょう。
症状が出てしまったことを後悔するのではなく、それを次に活かす経験として捉えることが大切です。医療機関と連携し、自分に合った対処法を身につけていきましょう。
こめこのパレットのグルテンフリーメニューの紹介
グルテンフリーの米粉パン

こめこのパレットでは、小麦を使わない米粉100%のパンを提供しています。 米粉特有のもっちりとした食感と、小麦パンにはない優しい甘みが特徴です。 グルテンを避けたい方だけでなく、健康志向の方にもおすすめの商品です。 また、完全無添加にこだわり、安心・安全にも配慮しています。 小麦アレルギーの方や、グルテンフリーの食事を必要とする方にも、美味しいパンを楽しんでいただけます。
グルテンフリーの米粉ベーグル

米粉を使ったグルテンフリーのベーグルも人気商品の一つです。 もっちりとした独特の食感と、プレーンからフルーツ味まで様々な味のバリエーションが魅力です。 ベーグルサンドにしても美味しく、食べ応えのある満足感が得られます。 パレットのベーグルは、白砂糖を使わずてんさい糖を使用しているため、上品な甘さに仕上がっています。 ヘルシーなのに味わい深い、新感覚のベーグルをぜひお試しください。
グルテンフリーの米粉餃子

こめこのパレットでは、グルテンフリーの餃子も販売しています。 米粉を使用した生地は、小麦粉の餃子の皮よりもモチモチとした食感が特徴です。 具材の旨味を引き立てる、優しい味わいの皮に仕上がっています。 グルテンフリーの餃子は、市販品ではなかなか手に入りにくいアイテムです。 パレットの米粉餃子の皮があれば、グルテンを気にせず餃子が楽しめます。 自宅で手作り餃子を楽しむのにもぴったりの商品です。
グルテンフリーの米粉団子

米粉を使った、グルテンフリーの団子もパレットの人気商品です。 米粉ならではの、もっちりとした食感と優しい甘さが魅力です。
ヘルシーなおやつタイムを楽しみたい方におすすめの一品です。 小麦アレルギーの方や、グルテンを避けている方にも安心して召し上がっていただけます。
まとめ

小麦アレルギーの方が、米粉製品を安心して選ぶためには、原材料表示の確認と製造工程の管理状況の把握が欠かせません。米粉100%の製品や、グルテンフリー認証を受けた製品は比較的安心ですが、コンタミネーションの可能性も考慮に入れる必要があります。
外食の際は、スタッフとのコミュニケーションを大切にし、料理の原材料や調理方法について確認することが重要です。安全性に不安がある場合は、自家製の米粉製品を持参するのもひとつの方法ですね。
万が一アレルギー症状が出てしまった場合は、軽度か重度かを見極め、適切な対処を取りましょう。症状が重篤な場合は、躊躇せずにエピペン®を使用し、救急車を呼ぶことが肝心です。医療機関とも相談しながら、自分に合った対策を練っていくことが大切だと言えます。
小麦アレルギーは、日常生活に大きな影響を与える病気ですが、正しい知識と心構えを持てば、充実した食生活を送ることができます。自分自身の健康を守るためにも、米粉製品選びのポイントを押さえ、外食時の注意点を心得ておくことが何より重要なのです。



